施工事例 WORKS
在来軸組工法によるフルリノベーションを行った家(2023年3月)
設計コンセプト
「建て替えるかリフォームするかどちらが良いかアドバイスがほしい。」
初めの面談でこのようにおっしゃられたので、まずお住まいを訪問しました。
建築時期特有の脆弱さはあるもののそこまで傷んでいなかったため、建替えの可能性までお考えであれば、フルリノベーションしてはどうかとご提案しました。
折からウッドショックで木材の高騰が騒がれていた頃でした。
計画は複数提案しましたがプランは基本的に元を周到し、一部増築して収納や将来に向けて生活を整える変更を行いました。基礎はしっかりしていたので木造軸部を補強(耐震等級3相当※)、断熱気密性も高めて(G2以上)長期優良住宅認定、BELS取得しました。断熱材は壁と屋根にはシュタイコゼル充填、付加断熱は屋根にシュタイコデュオドライを使いました。原料に木を使ったこの断熱材はとても気持ちがよく(この詳細はまた別の機会に。)空気を穏やかに清浄してくれているように感じます。
施主様は断熱性や数値にこだわられていた訳ではなく、初めの頃は、冬温かいならその方がいいよねくらいのスタンスでした。風通しが良い敷地のため、夏でも窓を開け放したら気持ち良いしエアコンはあまり使わない、そんなに断熱をして窓を締め切るのはどうかとの思いもあったようです。
実は私も、やはり窓を開け放して蒸し暑い夏の湿気を中に取込むことにならないか少し心配していましたが、住んでからの感想では、前は外出から戻ると窓を開けたくなったが、そんなことを感じなくなった、冬は戻るとほのかに温かいし夏はムッとした感じも無く昼でも暑くない(真夏は未経験)、窓を開けなくても気持ち良いってスゴい、設計段階で聞いていたのはこのことかと納得した。とのお言葉をいただきました。
ちょっと「リフォーム」しようと思っていたのに比べると費用も時間も多くかかりましたが、色んな意味での安心と快適性を得ることが出来、若い時から子育てして今はご夫婦お二人でお暮らしのお家で、将来にわたって快適にお過ごしいただけるだろうと思えてとても嬉しいです。
技術を持って施工にあたってくださった藤和ホーム様に感謝申し上げます。
※既存建物の耐震改修では耐震等級3の取得に非常に手間がかかるため、実際には3相当の耐力壁は設けましたが長期優良住宅に必要な耐震等級1の認定を受けました。(無用に費用と時間をかけない選択をしました。)
- 設計
- 尾瀬耕司・くみ建築事務所
- 構造
- 在来軸組工法
- UA値
- 0.44(6地域におけるG2グレード)
- C値
- 0.88
- 竣工
- 2023年3月